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国語の模試で時間が足りない本当の原因と解決策

1. 文章読解で時間がかかる原因を見極める

広島国語屋本舗現古館 館長の小林です。

 

模擬試験などで国語に取り組む際、制限時間内に文章を読み切ることができない、問題を解き切ることができないということがよくあると思います。

 

しかし、「時間が足らない」というのは、一体何に時間をかけすぎているのかということが問題なのです。

 

人間が1分間で読み切れる文字数は400字から600字と言われていますが、必要以上に時間をかけすぎている可能性はないでしょうか。

 

書かれている概念についての知識がないから、いちいち立ち止まってしまって時間がかかりすぎている場合もあれば、類似した内容や反対の内容を確認しながら往復感覚を持って文章を読んでいるため時間がかかっている場合もあると思います。

 

 

前者の場合は単純な知識不足ですが、後者の場合は文章と向き合う姿勢としては正しいのです。

 

文章を読むのに時間がかかると一口に言っても、その内実にはグラデーションがあります。

2. 選択肢問題で陥りがちな時間の罠

逆に、問題を解くのに時間がかかっている場合を考えてみましょう。

 

特に選択肢問題で時間がかかりすぎている場合は注意が必要です。

 

頭の中で設問に対する想定解を作っていないから、その内容を言い換えた選択肢を見つけるのに時間がかかってしまうんですね。

 

つまり、本文の読み取りが曖昧なままに問題を解く段階に突入してしまっているということです。

 

 

問題文の読み方、設問への取り組み方には理想的なプロセスがあります。

 

その手順を踏まずに、なんとなく問題を解き始めてしまうと、許される時間以上に多くの時間を費やしてしまいます。

 

時間が足らないという状況の中にもグラデーションがあり、何が課題かを確認した上で、時間を意識する訓練が必要です。

3. 模擬試験を活用した正しい時間感覚の習得

また、模擬試験であっても、正しく時間が足らなくなるという経験は必要です。

 

国語学習の一番の課題は、自己採点の難しさにあります。

 

時間が足りていないし、本文を読み切れてもいないのに、何となく選んだ解答が正解していた場合、復習する際にその問題を再度確認できる生徒は稀だと思います。

 

 

模擬試験も時間を意識させるための訓練の過程の一つだと捉え、正しく時間が足らなくなるという経験をしてもらいたいものです。

 

時間制限という制約の中で、いかに効率的に文章を読み、的確に問題を解くかという技術は、実践を通してのみ身につけることができるのです。