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データでつかむ距離

広島国語屋本舗現古館 館長の小林です。


新学年が始まり、最初の試験やスタディサポートが実施された高校も多い時期です。


結果を見て、少しほっとした人、不安を感じた人、それぞれかと思いますが、今日は特に高校1年生に向けて、大事なデータをお伝えします。

 

高1秋の成績と進学先の相関

ベネッセ教育総合研究所の調査によれば、高校1年生の秋に受ける模試の成績と、最終的に進学する大学の偏差値帯は一致しやすいとされています。


約7割の生徒が「高1秋の成績と同程度の偏差値帯の大学」へ進学するという結果です。(ベネッセ主催のセミナーに行った際伺った情報です。)

 

これはもちろん、「将来は高1の時点で決まる」ということを意味しません。


しかし、これが軽視してよいデータだとは誰も思わないでしょう。

 

データを指針にする

英語や数学に比べて、国語は「とりあえず後回し」にされがちな科目です。


しかし実際には、読解力や思考力は一朝一夕に伸びるものではありません。

 

語彙力やテーマに関する知識が足りないのか、読み方や解き方が分かっていないだけなのか、生徒の今いる段階に応じて、国語の成績が上がるまでの時間は大きく変わります。

 

だからこそ、早い段階で自分の現状を確認し、自分の希望する進路を実現するために必要な読解力を身に付けるために動き始めることが重要なのです。

 

模試やスタディサポートの順位を見たとき、それをただの「点数」で終わらせてしまうのももったいないことです。


各高校の国公立大学や上位私立大学への合格者数と、自分の順位・偏差値を照らし合わせてみましょう。

 

たとえば「この順位帯から国公立に進んだ先輩はどれくらいいるのか」など、参考にできる情報は多くあります。

 

そういう観点で成績表を見ていくと、自分が校内でどのくらいの位置を目指せば希望する進路を叶えることができるのか、一つの指針が生まれますよね。


データが、「戦略」を生む材料になるのです。

 

距離をつかんで対策を

学習においてデータは万能ではありませんが、「現在地」と「目標地」との距離を把握するには有効です。


重要なのは、それをどう活かすか。

 

「国語で何を鍛えるか」「今月はどこを仕上げるか」など、具体的な方針を立てて動くことが、成績にも進路にもつながります。

 

特に国語は、早くから始めてこそ差がつく科目。

 

焦らず、しかし着実に、早めに準備をしていきましょうね。