広島国語屋本舗現古館 館長の小林です。
ここ最近、高3生の入塾が続いています。
それぞれに最初に伝えているのは、「国語の成績が伸びるタイミングは人によって異なる」ということです。

国語のブレイクスルー
現代文で扱われる主要なテーマや語彙、古文・漢文で問われる古典常識など、必要な知識をすでに持っている場合は、読み方や解き方の基本方針を入れるだけで、成績が急速に上がることもあります。
一方で、知識が不足している場合は、それを補うところから始める必要があり、演習量も多くなります。その分、ブレイクスルーまでに時間がかかることは自然なことです。
また、解き方の方針が正しくても、読み取っている内容が本文の記述とずれていれば、当然正答にはたどり着けません。
共通テストに代表されるように、高校3年生が最初に挑む国語の問題の多くは選択肢形式です。
つまり、設問に対する答えを考えるだけでなく、その内容を過不足なく言い換えた選択肢を見つける力が必要になります。
5つの選択肢があれば、4つは誤答として作られており、その誤答には明確な“クセ”や“ワナ”があります。これらを見抜く力を養うことが求められます。

癖を知り尽くした指導
たとえば、小説問題での演習中、登場人物が知っていることと、読者が知っていることを混同した誤答を選ぶケースが見られました。
登場人物が知り得ない情報を前提に選択肢を選んでしまうと、本文の事実とずれた理解になり、正答から外れてしまいます。
作問者はこうした読み違いを狙って誤答を配置しており、その意図を理解することが重要です。
国語の成績を伸ばすための近道は、作問者の視点をもって的確な指導をできる指導者のもとで、演習を通じた訓練を重ねることです。
ただし、知識が不足している場合には、授業外でもその補充に取り組んでもらいます。
どの科目でもそうですが、砂上に楼閣は建ちません。
それ相応の時間はかける必要がある、ということです。
*「癖を知りつくした指導者」の画像生成を依頼すると、「癖まみれの指導者」の画像が出来上がりました。